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それからほどなくして、祖母は亡くなりました。翔はその時、ようやく泣きました。私は翔の背をずっとさすりながら、どこか空虚な気持ちでいました。
きっと治ると、そして祖母がまた私たちに「よく来たねぇ」と言ってくれるのを私はどこかで信じていました。けれど、それはかないませんでした。世の中にはかなわないことがあるのだと、きっと私はこのとき初めて知ったのでしょう。
時を経て、今の私はあの日の祖母に寄り添えるようになりました。
けれどもあの足跡――あの日のびていたあの足跡。あれは、いったい誰のものだったのでしょうか。そもそも、祖母のもとを訪れていたのは、本当に翔だったのか――祖母の面影も遠くなった今もなお、あの足跡だけが、私の中でずっと心の中に跡を残しているのです。
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