chapter3 生存者

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移動中 無言だった僕に対し、20代前半の男性が小声で話しかけてきた。 「さっき紹介忘れてた(笑)  俺、林大知 この中だと1番年近いし、なんか悩み事でもあったら相談してくれよ!」 僕はその言葉に小さく頷いた。 ふと運転席近くに目をやると時計が視界に入ってきた。 あの巨大地震が起きてから丸3日たっているようだ。 グゥゥゥ なんだかお腹が空いてきた。 丸3日 何も食べていないのだから当然だろう。 「少年!これ食うか?」 と山田さんがスナック菓子を出して言った。 僕は小声で 「ありがとうございます」 と言い1袋もらった。 スナック菓子を食べている間、あの巨大地震のことについて考えていた。 僕の家の前で見た死体といい、出発前のコンビニ周辺といい あの数秒であんな人数、それにあんなにも無残な死に方をするだろうか・・・ この人達に聞けば・・・ もしかしたら何かわかるかもしれない・・・ 僕は少ない可能性に賭け、3人にあの巨大地震のことについて聞いた。 「少年 見てねぇのか?」 山田さんが驚いた顔でこちらを見た。 「な、何をですか?」 「でっけえ怪物のことだよ!」 「かい・・・ぶつ・・・?」 「巨大な怪物がこの街を襲ったんスよ」 「俺らはここら辺で工事をしててよぉ、  すぐ地下に隠れたおかげで 何とか助かったってわけだ」 怪物がこの街を襲った・・・? 僕はその言葉をすぐには信じられなかった。  
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