chapter3 生存者

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僕は夢を見ていた。 いつも通りの生活… あんなに退屈な日々だと思っていたものが、今はあの頃に戻りたいと心の底から思っている。 視界が霧がかったように白くなっていく。 夢が終わってしまう… 僕は目を開いた。 ここは何処だ? ぼんやりしながら右手を動かす。 「おぉ 目ぇ覚めたか?」 誰だ・・・? 僕は声のした方を向いた。 目の前にいたのは、中年のおじさんだった。 見た感じ50~60代くらいだろうか。頭にタオルを巻いていて服は泥で汚く、汗なのだろうか体臭がひどかった。 動揺して無言で見つめる僕に対し、おじさんは続けてこう言った。 「安心しろ ここは安全だ。今仲間が食料を取りに行ってるところだ。  もう少ししたら帰ってくると思うんだがな・・・」 僕は辺りを見た。どうやらワンボックスカーの中のようだ。 車の外を見ると、さっきまで燃えていた火は消え、周りには人の死体や事故を起こしたのだろう、大破している車が沢山あった。 僕はどのくらい眠っていたのだろうか。 「そういえば 名前言ってなかったなぁ   俺は土屋敏樹ってんだ お前さんは?」 おじさん(土屋さん)は僕に問いかけた。 僕は再び土屋さんの方を向いたが、話す気にはなれなかった。 そんな僕に土屋さんは 「まぁ こんな状況じゃ無理もねえか 話せるときになったらでいいぞ」 と優しい口調で言ってくれた。
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