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気がつくと男友達の一人がもうすでに泣いていました
さっきまで友達と談笑したり、私たちの所へ挨拶に来てくれたりしていたのに
そこは悠太の高校時代の友達のテーブルでした
久しぶりに会うあの子たちはあの頃と変わらず私にニコニコして来てくれました
それが今、大人になったあの子があんなに泣いて喜んでくれているなんて、親としてありがたい気持ちで身も心も温かくなっていました
私と夫と言えば間も無く両親への花束贈呈と手紙の披露のために前に出されたばかりで
先に彼らの涙を見て感動真っ只中の私はすでにかなりしみじみしていました
新郎新婦が女性司会者の進行によってマイクスタンドの前に進み出ました
まずは新郎である悠太が私たちに感謝の言葉を読み上げていきます
苦労した学生時代を特に詫びていて
学校に行けなくて苦労をかけたこと、いつも変わらず支えてくれたことなどの感謝の言葉が続きました
私もしみじみしていたけれど向こうを見るとあの男友達はもうすでに声は出さずとも号泣していたのです
えっ?
隣の夫も少し驚いていたようなのであの子たちが悠太の高校の時の友達だと説明しました
夫は「ありがたいなぁ」と小さな声で言っていました
すっかり涙もろくなった私たちは心底、しあわせな気持ちになっていたのです
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