見守る

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 二年前、父さんがやっつけ仕事で直してくれた窓枠はすぐに少しずつまたずれ始める。  大工さんへの依頼をケチるから、こんなことに。  ガンッと勢いよく閉めれば、どうにかピッタリと閉まる。  だが15分もすればまた少し開いてくるし、手で力を加えればすぐに開いてしまう。  何とも腹が立つ。  ただあれきり視線や足跡もなかったことから大丈夫だろう、と油断してしまっていた。  なのに夕べ、久しぶりに感じてしまったのだ。  あの、ネチっこい視線を。  確認することなく浴室から逃げ出した。    着替えたその足で母に説明をし、怖いからと一緒に外に出て浴室の下へ。  見つけた瞬間に、自分の勘が当たっていたことに落胆すると共に襲い来る戦慄。 「革靴の跡よね? なんで左足だけ?」  母の言う通りだった。  二年前と同じ浴室を覗いていたような男性サイズの足跡。  ただ二年前と違っていたのは、スニーカーではなく革靴。そして左足だけ。  本来あるべきはずの右足の場所には直系3センチぐらいの小さな丸い点。 「まさか二年ぶりに覗き魔が?」 「ちゃんと覚えてたんじゃん!! 今度こそ窓直してよね!! 警察に知り合いがいるから明日話してみる」  呑気な母に口を尖らせた。
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