見守る

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 警察に知り合いと言うのはあながち間違いではない。 「松永くん、ここ!」  いつものお店、顔を出した彼に手を振ると私の向かい側に座る彼。  近くの警察署で警察行政職員事務、通称警務として働く彼にまずは相談に乗ってもらおうと思ってのこと。 「あのね、実はめちゃくちゃ怖いことがあって」  そう切り出した私の話を聞いて松永くんは一瞬酷く怯えた後で。 「今日から帰り送らせて下さいね、これくらいしか俺にはできませんが。少しでも加藤さんを守りたいんです」  と言ってくれたのだ。  松永くんの仕事が終わる時間と私の仕事が終わる時間は私の方が30分早い。  私が働いている運送会社の事務所から松永くんの勤め先までは歩いて5分。  家も近所だというし、送ってくれることになった私は少し浮かれ気味。 「よろしくお願いします! 終わったら松永くんのとこに行きます」 「待ってます、あ、連絡先も交換しましょう」  連絡先を交わした後で何だか恥ずかしくなる。  勘違いじゃないと思うんだ。  多分、私も彼もお互いのことを意識している、気がする。  いや、壮大な勘違いでなければの話。  でなきゃこんな風に照れたように笑ったりしないもんね?
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