見守る

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「めちゃくちゃ怖くないですか?」 「すっごい怖いです!!」  私の話を聞き、怯えたような顔をした松永くん。  その顔が可笑しくて噴き出したら。 「何で笑うんですか! 酷いですよ、加藤さん」  もうっ、と照れ笑いをする犬系男子の代表みたいな松永悟さん。  二つ年下の笑顔が爽やかな彼とは、今年の4月に知り合った。  いつも私が通っていたランチの美味しい洋食屋さんにある日現れたイケメンくん。  お互いに常連で何となく顔なじみになって、半年以上経った今ではこうして時間が合った時は一緒にランチをしている。 「それって、マジな話でストーカーとかじゃないですよね?」 「いやいやいや、自意識過剰に思われるよね、きっと。多分、私の勘違いですよね。こんな貧弱そうなの好き好んで見にくるヤツなんて」 「は?! 加藤さんは魅力的ですよ、素敵な人です!! 何でそんなこと言うんですか?!」  真剣な顔をし大きな声で私を擁護する松永くんに驚いていたら。  彼もハッと気づいたようで恥ずかしそうに小さく咳払いをした。 「今日から帰り送らせて下さいね、これくらいしか俺にはできませんが。少しでも加藤さんを守りたいんです」  耳の中で永久リピートをしたい。  加藤さんを守りたいんです、加藤さんを守りたいんです、加藤さんを守りたいんです。  犬みたいに可愛くて従順で優しい松永くんの厚意に甘えることにした。  いや役得すぎるでしょ、こんなバカみたいな話で彼に守ってもらえるなんて。
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