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「大丈夫ですか?!久世さん!」
いつの間にか、背後に綾瀬さんが来ていたらしい。
「あ…だ…いじょうぶ、です」
大丈夫なわけあるか!
驚かせんじゃねえよ馬鹿が!
脳内で罵声を浴びせながらも、なんとか口には出さずに答える。
また首を傾げて、こちらを見ながら考えている。
なんなんだよ。
そうやって首を傾げる犬みたいだな。
睨んでしまわないように、ふいっと視線を外す。
「別に、彼女なんていないです」
質問に返しながら立ち上がり、パンパンと尻もちをついた場所を叩いて汚れを落とす。
その様をやたら凝視されてるような感覚がして視線を戻せば。
一瞬だけ、穏やかじゃない色を滲ませた瞳とぶつかる。
え?何?
疑問と不安を感じて、そのまま固まってしまった。
その色は見たことがある…いや、そんなはずないと戸惑う。
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