また、君が咲くなら

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「おはよう」  いつものように、彼女の前にしゃがみこむ。  夢の中で彼女は嬉しそうに再会を喜んだあと、その表情に寂しさの陰りを見せていた。  不安げに語られたその時の言葉が、その語気が、目が覚めた今でも強く耳に残っている。  複雑な感情だっただろう。再会を喜びたい気持ちと共に、彼女はずっとそう謝りたかったのかもしれない。  だけど。そんな言葉なんかいらない。  大変とか、迷惑とか―― 「そんなわけないだろ」  俺は目の前の薔薇をしっかりと見つめた。 「君のことが好きだからできるんだよ」  どれだけ嫌なことがあっても、君がいるから。  君と話ができるから、俺は頑張れる。  そんな大好きな君のためにやることが、俺の中で大変なわけがない。迷惑なわけがない。  できる限り、萎れないでほしい。  もし萎れたとしても、俺の言葉で元気になってほしい。  そのためなら、俺はいくらでも頑張れる。  こんなにも可愛くて、美しくて、愛おしい。  そんな君の咲き誇る笑顔が、また見られるのなら。
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