1人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう」
いつものように、彼女の前にしゃがみこむ。
夢の中で彼女は嬉しそうに再会を喜んだあと、その表情に寂しさの陰りを見せていた。
不安げに語られたその時の言葉が、その語気が、目が覚めた今でも強く耳に残っている。
複雑な感情だっただろう。再会を喜びたい気持ちと共に、彼女はずっとそう謝りたかったのかもしれない。
だけど。そんな言葉なんかいらない。
大変とか、迷惑とか――
「そんなわけないだろ」
俺は目の前の薔薇をしっかりと見つめた。
「君のことが好きだからできるんだよ」
どれだけ嫌なことがあっても、君がいるから。
君と話ができるから、俺は頑張れる。
そんな大好きな君のためにやることが、俺の中で大変なわけがない。迷惑なわけがない。
できる限り、萎れないでほしい。
もし萎れたとしても、俺の言葉で元気になってほしい。
そのためなら、俺はいくらでも頑張れる。
こんなにも可愛くて、美しくて、愛おしい。
そんな君の咲き誇る笑顔が、また見られるのなら。
最初のコメントを投稿しよう!