また、君が咲くなら

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 確かに志摩はいろんなことにしっかりと興味を持つ。好奇心が旺盛で、そのせいもあっていろんなサークルに所属しているのは知っている。  自分から気になったもの、人から勧められたもの、例えば何かの作品だったら必ず一度目を通して感想を言ってくれる。要は、俺の真逆だ。  それだけ好きなことや興味のあることを探求する行動力や精神は、見ていて羨ましいな、と思うことさえあった。だからこそ、今回はこういう相談をするために、わざわざ授業後に大学内のカフェテラスに呼び出したわけだが。 「まあ、お前もバイトとかあるだろうから、別に無理に入れとは言わないけどさ」  ずいぶんと長い間かき混ぜていたカフェラテを飲んでから、志摩は笑う。 「ほんとになんか始めたいとか思ってるんなら、そんなんでもやってみたらいいんじゃない? 意外とお前にもあってると思うよ。何なら俺も教えるしさ」  きっかけは、そんな些細なものだった。
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