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「社長に何か言われたの?てか、チョコ見られたの?」
「……ちょうど取り出したところで『おはよー』って感じで来られたので、察したのか『今日は寒いねー』って、奥にフェードアウトして行かれました」
「……それなら邪魔は居ないんだから普通に渡せたんじゃないの」
「それが、気が動転して『作り過ぎちゃったんで、良かったら皆さんで』って言っちゃったんです……バカですよね。ほんともう途方もないバカだと自分でも思います」
わざわざバス乗って隣の大きい駅まで行って、輸入食品なんか置いてある高級スーパーで高いクーベルチュール買ってきたっていうのに。
それこそたくさん作って、いまいちなのは父と弟にあげて、出来のいいのだけ詰めたっていうのに。
「……向こうは何て言ってたのよ」
「分かりません。もう反応も見ないで押しつけて急いで立ち去ってきて。これ、って出した時にちょっと引いたというか困惑したような顔したのは見えましたけど」
はぁ、と都子さんは溜息をつく。
「あたしも前に車擦った時、あそこ安くやってくれるからお世話になって知ってるけどさー……あの茶髪でパーマかけた見た目チャラい兄ちゃんでしょ?」
「……まあ、はい」
「それが小学生の時から好きなんだよね?」
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