プロローグ

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プロローグ

 ミーナ・フレデリー・マグノリアが家を出たのには、理由があった。マグノリア家は優秀な魔法使いの家系で、彼女の両親はもちろん、妹までもが幼くして立派な魔法使いである。  ミーナはというと、一族の者達ほど魔法を上手く扱えなかった。だがそれで責める者は誰一人としていなかったうえ、むしろ彼女は励まされてきた。  それは救いであったが、同時に当人はいたたまれなく感じてしまう。  このまま家で甘えて中途半端に一生を過ごすより、家を出て普通の仕事に就く方がマシ。自立しなければと自分に言い聞かせ、ミーナは十六を迎えてすぐ必要な荷物をまとめて故郷を後にした。
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