心に嵐が来る……らしいよ!

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「まず、覚えておいて欲しいのは、うつ状態は気分が沈んでしまうってこと。言わなくても、千夏さんは分かるか……とにかく、話を進めるね?」 「うん! よろしくお願いします!」  わざわざ言うってことは、重要なことなのかな? 「躁うつのうつは、うつ状態のことなんだ。それじゃあ、躁はなんのことなのか? それはね、うつ状態の真逆……気分が上がってしまう状態のことを指すんだ。」 「え? それって良いことじゃない? だって、気分が良いんでしょ?」  躁の状態がずっと続く……そうなれば、気分が上がりっぱなしになる。それって、悪いことなのかな? ポジティブになれて、すごく良いことだと思うんだけど……。 「そうだね、ポジティブなのは良いことだ」 「でしょ?」 「常にその状態で過ごしているなら、良いことだね」  常に続くわけではない……ということかな? 「躁うつ……これは、躁状態とうつ状態を繰り返す病気なんだ。さっきも言ったけど、躁状態が続くのは良いことなのかもしれない……でもね? その後にうつ状態になってしまうから、一概に良いとは言えないんだよ」  なるほど、躁状態のままなら良いかもしれないけど……その後、うつ病になる躁うつの場合は、悪い状態として捉えられる……。要約すると、こんな感じになるのかな?  うーん……躁状態って、私が思ってるような良い状態なのかな? 気が向いた時に、調べてみようかな! 剣助に聞いてばっかりは良くないし! 「なるほどね……気分が良くなったり、悪くなったり、大変な病気なのか……。それは辛いね……」 「千夏さん、すごいね! こんなすぐに理解してくれるとは思わなかった!」  け、けけ! 剣助に褒められた!? やばい……めちゃくちゃ嬉しい……どうしよう! 何かしてあげたいんですけど!  そうだ……このノリでいけば……できる! できるぞ! 「えへへ……そんなに褒めても、ハグしかしないよ?」 「それは遠慮しておく」 「どうしてよ!?」  やっぱり、私は嫌われているのか…… 「これも、躁うつが関係してるんだけど……気になる?」 「はい! 気になります! 教えてください!」 「すごい勢いだな……分かった。そこまで言われたら、教えるしかないね」  私が剣助にスキンシップする方法……見つけ出してやる!
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