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関口のおかげで、授業を乗り切ることができた。先生の顔は、なぜか険しかったけど……なんでだろうな? わからない問題を教えてもらって、何が悪いと言うのか……。
そんなことはさておき、関口にお礼を言わないと。
「せきぐちー、さっきはありがとな、答えを教えてくれて」
「ああ! どういたしまし……わわ!」
あー! 頭をこう……わしゃわしゃってしたい!
「本当にもう! お前は可愛いなぁ!」
「佐伯さん! あ、あの……」
……考える前に、体が動いていたらしい。俺の両手は、もはや制御することはできなくなっていた。
関口の戸惑う声に構わず、わしゃわしゃ……わしゃわしゃ……。
「彼女が目の前で、男とイチャイチャしている……そんな現場にいる恋人は、どうしたら良いのかしらね」
「は! 白水! ち、違うんだこれは! そういうんじゃないから!」
あ……周りのやつも、クスクスしながらこっちを見ている……。
「可愛い……」
「関口が羨ましいぜ……」
「良いカップルねぇ〜」
関口は、気まずそうに体を小さくしている。悪いことをしてしまった……。また後で謝っておこう。
あれ? そもそも俺って、白水の恋人だっけ?
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