親友であるために

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 口調が定まらない理由が分からないまま、帰り道が違う白水と別れる。 「あなたに合わせて、口調を変えているのよー」 「なんだそれー」 「白水さーん! また明日ー!」  関口の家は、意外と近い。中学校が同じだったらしいけど、俺が関口のことを知ったのは、高校生になってからだ。でも、関口は俺のことを中学生の頃から知っていたようだけどな。  白水の姿が見えなくなったタイミングで、関口が緊張した面持ちでこっちを見つめてきた。 「ん? どうした?」  声をかけても、ジーッと、こっちを見つめたまま動かない。とりあえず、何か言うまで待ってみる。 「…………」 「…………」  何も言わないな……。 「………………」 「………………」  ……30秒が経過した。なんか、こっちまで緊張してきた……。俺らは見つめ合って、何をしているんだ?   人通りが少ない住宅街の夕方、彼は何を言いたいのだろうか……。カラスが、カーッ! カーッ!! と、俺たちを急かすように鳴いている。そして、カラスの鳴き声によって、俺の我慢は、限界を超えてしまった。 「……なぁ、何か言えよ」  少しだけ、怒りを含んだ声……関口の顔が、少しだけ青くなる。飼い主に叱られた後の子犬みたいな表情で、やっと、言葉を絞り出す。 「ごめん……君のことが、その……好き、なんだ……」
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