悪魔の子

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 なんだか……不思議な歌だ。  日本語の歌なのに、歌い方が外国っぽい。発音も、まさに外国って感じだ。そして、全体的に音程が低い。声が高い千夏にとっては、難しい歌なんだろうな。でも……この歌は、気持ちを乗せやすい感じがする。実際、千夏は気持ちを込めて歌っているせいで、こっちに気がつかないわけだし。  それにしても……千夏がこんなに低い声を出せるなんて、知らなかったなぁ。そもそも、河川敷で歌っていることも知らなかった……。 「〜〜〜……? あ! あやねん! いつからそこにいたの!?」  歌い終わったところで、ようやく俺に気がついたか……。それだけ、この歌が好きってことなんだろうけど……う〜ん、でも! こんなに気がつかないことってあるか? 「多分、最初のサビぐらいから」 「え、えーー!? は、恥ずかしい……!」  両手で顔を隠してしゃがみ込む。完全に隠した状態だから、顔を見ることはできない。でも、まぁ……耳が真っ赤だし、顔も赤いんだろうな……。  なんか……悪いことをした気分だ……。でも、気がつかなかったのはあっちだからな!
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