異常な彼

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「剣助! 取ってきたよ! あとこれ、お水も!」 「あ、ありがとう……」  一人で飲めそうになかったから、私が薬を彼の口に放り込み、飲ませてあげた。  ……もうちょっと、ゆっくり飲ませてあげれば良かったな……。  剣助は……そんな私に文句を言わず、黙って薬を飲んでくれた。  あ、なんか……可愛いな……って! 私はこんな時に、何を考えているんだ!  そして、もう立つこともできないほど泣き疲れていたから、彼をベッドの上に、そっと寝かせてあげた……。 「ごめん……千夏さん……せっかくのお家デートが、台無しだ……」 「そんなこといいから! 今日はしっかり寝なさい! あと……私も、今日はここで寝る……剣助のこと、心配だしね……」  いつもなら……絶対にダメだ! と、剣助なら言うはずだ。  どうしてかは分からないけど、一緒に寝たいと言うと、いつも断られてしまう……。  その度に……私って、嫌われてるのかな……とか、考えてしまうんだけど……。 「うん……ありがとう……一緒に寝よう……」 「へ? 本当に良いの?」  え? え!? 本当に剣助と一緒に寝て良いの!?  いやいや……なんで喜んでんの……私は! 彼の看病をするために、一緒に寝るだけ! それ以上のことはしない!  その……はず……だよね? 「うん……それと、お願いなんだけど……同じベッドで寝てくれないかな? 一人用だから……狭いけど……」 「えっと……剣助……もしかして、酔ってる?」  おそらく、さっきのような発作らしき異常は治ったはず……ということは、さっきのお酒で、実はだいぶ酔っちゃって……おかしくなってる? 「だ、ダメかな? 千夏さん……」 「はい! 是非ともよろしくお願い致します!?」  バカ!! 私は何をお願いしてるんだ!?
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