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「私がいない部屋で泣く……んだ……むぅ……えっと……どうして、私の前では泣かないの?」
私の前でも、もっと泣いてほしいとか思ってないから……嘘じゃないし……本当に思ってるから! ……じゃなくて!? 思ってないの!
「だって、千夏さんに嫌われたくなかったから……泣いてる男なんて……気持ち悪いだけだよ……」
「……そんなことはありません!」
「え? なんか……怒ってる……?」
「そんなことは…………ある」
「あ……あるんだ……」
この子は、何にも分かってない!
大好きな彼氏が、どんなに泣いていようが気にならない!
むしろ、それを励ます!
これが理想のカップルなの!
「理想のカップルになる権利を! 勝手に奪わないでください!」
「なんか……色々と、話が自己完結されている……よくわからないけど……ごめんなさい……」
「私の前では、いつも以上に泣くこと!」
「それはそれで、おかしくないかな? 千夏さん……?」
全く……これだから最近の男は……
「あはは……! やっぱり……千夏さんは……面白い……や……」
「あれ、剣助? おーい……寝てる……」
安心したのかな? 少し揺すってみたけど、起きる様子はない。
泣き疲れた表情だけど、少しだけ笑顔を浮かべて寝ている……良かった!
「よくよく考えてみたら、こうなったきっかけは……私、なんだよなぁ……」
とにかく……今日はもう寝よう!
明日も、剣助に笑ってもらおう!
ちなみにこの後、一睡もできませんでした……。
衝動を抑えるのに必死で……興奮して寝れなかったんだよ!!
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