そうでうつ

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そうでうつ

「ん……うう……千夏さん……えへへ……」 「ぐほぉ……! それは反則でしょ……」  剣助が、私に笑いかけてきた……辛い……この子にお触りできないのが辛い……。  人生、損してるわぁー!  まだ、寝てるのかな?  どんな夢を見てるんだろう……すごい幸せそうな顔をしてるけど……。 「千夏さん……暖かい……」 「お……おぉ……ナニが起きてるんですか!?」  抱きついてる……剣助が……私に!?  やっぱり……まだ、夢の中にいるのか!?  まるで、幼児退行したみたいに……抱きついてる……すごく優しく抱きついてるもんだから、少しくすぐったさを感じる……。  この状況を利用すれば、剣助を我が物にできる……ふふ……あんなことやそんなことが……したい……けど! 流石に起こさないとなぁ……。 「剣助! 起きなさい! 今、何時だと思ってるの? 早朝の三時よ!?」  そうなのよ……三時なのよ……全くもう、うちの子ときたら……。  お母さんになったら、こういうことを言ってみたいな……ふふ……。 「ちな……つさん……口に出てる……むにゃ」 「あ、私ったら……また口に出してる。ていうか、剣助ってば……寝言で私をツッコんでない? 夢の中の私は、何をしているんだか……」  夢の中の私も、ポンコツなのか……はぁ……。 「起きて剣助! 襲っちゃうぞ! なんちゃっ……」 「それはダメだ!?」 「うわぁ!?」  ……どうして? どうして私に襲われるのが嫌なの!? どうして、大人しく襲われてくれないの! そんなのおかしいでしょ!! 「なんか……不満そうな顔をしてるね……ごめん……」 「ふぇ? ああ! ごめんなさい……そんなつもりでは……あった」 「あったの!?」  剣助……また泣いてる……。  本人は気がついてないみたいだけど……。 「違う違う! つい本音が出たけど……違うから!」  私は! どうして! 余計なことしか言えないの!?  ここは、謝るとこでしょ!? 「……ふふ……あはは! なにそれ! 違くないじゃん! あはは!」  なんか……笑ってる……まぁ、これはこれで良かった……かな?
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