昼の夜

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「私から樹……渡辺さんには話しておく。……こんな環境だけど、だからこそ出来れば蓮に無理をさせたくないしね。元々蓮は余り強くない上に特にこの時期は色々病気を貰いやすい。万が一何かあったら君の客に殺されるのは私だし」 「でもねー。せっかく願いが叶うっていう『噂』を信じてわざわざ『男』を大金叩いて抱くんだよ?」 「んー。僕はそういうオカルトは信じない方なんだけど、最近テレビでよくお顔を拝見するあの政治家とCEO。二人とも蓮の客だよね?」 「どうだろうね。相手が多すぎて覚えてないや」  肩をくすめて蓮が視線を投げながら答えると先生は蓮が教えた先、部屋の隅のカーテンレールの上を見つめ苦笑いを見せた。自分が犯してはいけないテリトリーに思わず踏み込んでしまったことに気が付いたんだろう。  少し動じたのか、話ながらもテーブルの上の器具をしまっていた先生の手もとからボールペンが落ち、テレビの前の棚の下に転がってしまう。  拾うため、蓮がテレビの前で四つん這いになって手を伸していると先生が蓮の後ろにやってきて膝をついた。 「最近ゲーム、何してんの?あ、リアルのバーチャルじゃない方ね」 テレビ周りのゲーム機を見たのだろう。先生は時折蓮と一緒にゲームをしてくれる貴重な存在だ。 「シューティングやロープレが多いかな。クローズドじゃないと外の人と話せちゃうからね」 「世知辛いねぇ」  そう言いながら影山先生は四つん這いの蓮の上に覆いかぶさってきた。髪の間から見えていたのか、うなじの匂いを嗅がれ、シャツの下に手を入れらる。先生の骨ばった手が蓮の薄い腹を撫で、そのまま胸の先を指先で転がされた。 「……っぁ……」  堪らず背を反らせ喉から甘い声を漏らすと顎を掴まれ後ろに向かされ唇を貪られた。 いつもは余裕振いた顔をして天使の様な口付けを与える癖に、己の熱の開放を求める時の先生の口付けはいつも酷い乾きに水を求めるかのように荒く深くしつこい。 「…………先生から、渡辺さん、に……言ってよ」  やっと離れると、蓮の唇から続く肺が酸素を求め、蓮は飲み込めなかった唾液を唇の端から垂れ流す。 「私はお使いがせいぜいだよ」 それをさも美味しそうに先生は舌を伸し、舐め取りながら蓮から衣服を奪っていく。 「お使いしか、出来ない子が……こんな事する?……しかも……つい、今さっき、一週間休めっ、て、自分で……言った、よね?……って……あっ。……ひゃぁんっ!!」  蓮の臀部をねっとり撫で始めた先生の指先が双丘の間に滑り込んで来て、蓮が躊躇う間もなく一番弱い場所に指先をぐっとねじ込んできた。 「それとこれとは別。身体の確認だけはちゃんとさせてね。こんなハイリスクな仕事を受け持つ唯一無二の歓び。私の権利だ。勿論今日の昼寝の寝かしつけも任せておくれ。夕方までぐっすりコースを約束するよ。それに……この感じだと、今朝まで客をとっていたんだろ。まだ柔らかく熟れている。あー、やっぱり蓮はたまらない。それにこの項。ねぇ、ここから男を誘う甘い匂いを出してないかい?今日も体液で汚したくてたまらない」 蓮の項を舐め始めた先生はカチャカチャと音を立てながら自分の下半身を開放していく。 振り向き見えたのはいつもの客達よりもかなり大きく赤黒い欲望が脈打ちながら涎を垂らす様。 「やっ、ぱり……えげ、つない……変態」 「お褒めの言葉と取っておくよ。……ん。次は絶対ハイヒール持ってこよう」 そう言って影山先生は己の熱い肉欲を躊躇いなく蓮の中に埋め掻き混ぜてきた。
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