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気がつくと暗い部屋に一人でいた。 やはり、今までと同じように椅子に座らされ 両手足は鎖で繋がれていた。 今回の夢で違う事は、 暗闇の中から白い服を着た男が歩いてくる。 『オンライン交流会』の輪の中心にいた男だ。 あの時は、顔が見えた訳ではないが特長もいっしょで指に大きな紋章の指輪をはめていたから間違いない。その男の顔をみる。 俺に近づいてきたその男は、見覚えのある顔だった...... 見覚えのある顔所ではない その男は、俺自身だった...... 「お前、どういう事だよ! お前は俺なのか? 答えろよ!」 俺は激しく怒鳴る。 「おお〜 まだ体力は余っているみたいだね〜。 見れば分かるでしょ〜? 僕は、君自身だよ〜」 「ここはどこなんだよ、早く解放しろよ!」 「はぁ〜?まだ理解が出来てないみたいだねぇ〜 やっと、 僕は表に出る事が出来るよ〜 どんなにこの暗い部屋の中で待っていたか〜」 ニヤぁ〜 と、 気持ち悪い笑みを浮かべる。 「僕はずっと君の中に居たんだよ? 気がつかなかったの〜? 次は君の番だよ〜」 「おい! どこに行くんだよ! 誰か! 誰か! 助けて!」 少し歩いて立ち止まる。 「あっ、 そうそう。 ここで叫んでも無駄だよ〜 ここどこだかわかる? だって、 ここ、 僕達の中だから〜 叫んでも誰もこないよ〜 ふふっ」 もう一人の俺は、そう言って笑いながら姿を消していった...... 暗闇の部屋の中で男の笑い声と、「カシャ、カシャ」と鎖を動かす音だけが響き渡っていたが、やがて静まり返った。 暗闇の中に俺だけを残して......
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