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イケメンゴリラって知ってる?
「なーなー、イケメンゴリラって居るじゃん?」
昼のガヤガヤと騒がしい大学の学食で、俺は咥えていたフォークを口から出して、目の前に居る高校の時からの親友、須藤大和に話しかけた。
「あー動物園の?」
大和はそこまで興味なさそうにトッピングも何もないシンプルなカレーをスプーンに乗せて口に運ぶ。
「そう。この前3、4限と空きだったから見て来たんだけどさ」
俺も目の前にある皿に視線を移して、最後に残った唐揚げにフォークを刺した。
「はぁ?暇だね。お前」
テーブルに頬杖を付いて、大和は呆れたような顔をこっちに向ける。
「うるせぇわ」
いーっと歯を見せて唐揚げを口に入れると、大和はくすくすと笑った。
スプーンを置いてグラスを持つと、水を口に運ぶ。
飲み込む水と共に動く喉仏がやけに色っぽい。
「で?」
グラスを置きながら首を傾げる大和。
「ん?あぁ!…ゴリラじゃんって思った」
素直に感想を言ったのに
「そりゃゴリラだろ?何だと思ってたの?お前…」
大和は完全にバカにしたような顔をしてまたカレーに視線を戻した。
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