レストランー4

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レストランー4

「またの お越しをお待ちしております。」 と、すぐに声をかけたが聞こえたかどうかという感じでさっさと店を後にした。 ホッとする間もなく、入れ違いに別な二人組のお客さんが入店してきた。 水澄はすぐに切り替えて、 「いらっしゃいませ。」 と、声をかけた。 窓越しに、店長が客席の方へと向かう。 多分、食べ終わったお客さんが立ち上がったのだろう。 奥で、 「ありがとうございました。」 という、送り出しの声が聞こえる。 今入ってきたお客さんは、予約はされたことがないが、何回か来たことがある方だった。 勝手を知っているようで、お連れの方は座れれるスペースがある待合所の方へと進む。 元々、待ってもいい人用にスペースが設けられ、ベンチタイプの座れる場所があり、混雑時はここで待ってほしいという案内も掲げてあるのだ。 男性の方のお客さんが、水澄に確認しようと思った矢先に、中から出てくるお客さんを見たようで、声を掛けるのを止めて、そこの席にその方も行って、先に座っていたお連れさんの隣に座った。 その辺を弁えてくれているらしい。 中から出てきたお客さんが1人だけ会計のために残り、お連れさんは外へとそのまま出ていかれた。 たしか、窓際に座っていたお客さんだったはずだ。 伝票番号も、そのとおりの番号になっている。 席を立ったタイミングで、残りのバッシングとテーブルセッティングをしている気配がする。 店長が、入ってきたお客さんがいる事を知り、自分も一緒に片付けを手伝っているようだ。 そこで、思わぬことが起きた。
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