8人が本棚に入れています
本棚に追加
レストランー3
下の名前 、何だったかしら。
今度は女性2人と朝とは違う若い男性と4人連れだった。
「いらっしゃいませ。」
「空いてる?」
と、常連かのように振る舞う。
ほんの少し、アルコールの匂いがする。
嫌な予感が漂う。
もちろん予約はされていない。
水澄は一応、予約が全て終わっている事を知っていたのだが、問題が起きそうなお客さんだということは、朝の件で分かっているので、まだ席が空いていない事を良いことに、
「確認してまいります、少々お待ち下さい。」
といい、その場を離れた。
女性の前だからなのか、朝よりはだいぶ態度もいい。
売場を確認しに行くように見せかけて、店長のところへと向かった。
「店長。ちょっと・・・。」
簡単に朝に来た客の1人がまた来た旨を伝えて通すかどうかを聞くと、一応、目安の待ち時間を伝えてそれでよければ通そうということになり、レジまでもどった。
水澄はもう一度フロアをざっと見回すと、2箇所の4人席のお客さんがほぼ食べ終わっていて、雑談していた。
そこで、アレさんたちに空いている皿のバッシングを頼み、15分くらいと目安を付け、レジまで戻った。
「お待たせいたしました。
只今満席でして、あと15分から30分くらいお待ちいただければ、ご準備出来ると思いますがいかがなさいますか?」
と伝えた。
気になったのか、近くに店長の気配を感じる。
暗いのでガラス越しに確認すると、こちらにはお尻をむけてはいるが、近くで売場を見ながら、様子を伺っている店長が立っていることが分かった。
お連れの女性が
「えー、待つのやーだー。すぐ入れるって言ってたじゃん。」
と、かなり大きな声で言う。
どうやら、こちらも、少しお酒が入っているようだ。
「昼は空いてたの。」
と女性には笑顔で言い、こっちに真顔で向き直って
「じゃ、いいや。」
と、言って連れに合図して出ていった。
最初のコメントを投稿しよう!