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コルセンー3(少々変更)
そう言えば、私はどうやら研修に来たその日に細谷が、「この子!」と決めていたらしく、普通はだいたい一通りの店研修が終わった後に内示が出るのが慣例なのだが、店研修に入って直ぐに内示が出ていた・・・と、人事部の人が酔った勢いで話してくれたことがある。
「あの人に気に入られるなんて、お前何やらかしたんだ?」
と、言われた時には何のことなのか分からなかったが、その事を指していたらしい。
普通のことしかしてないと思うんだけど・・・。
さて、仕事の話に戻るとする。
伊東は、 配属されてからとても不思議だと思っていることがある。
どうでもいい内容だと、まあ人にも寄るのだろうが、あまり男性は好まれない。
最近世間では、イケボと言われる、良い声の男性も好まれてはきているのにである。
コルセンでのクレームの電話には若干波があるのは、先述のようで暑くなりだしたりすると、増えたり、花見時期のように人が気持ちを抑えるような事柄があると、日によっては担当者が3人だと多い日もある。
その忙しい日は、正直3回線だけじゃ足りないくらい繋がらず、それだけでもお叱りを受けることもある。
なのにである。
研修で回ってくる社員は女性だけじゃない。
そんな回線の混み合っているだろう日にせっかく繋がっても、男性社員が出ると切ってしまう人もいる。
でも、女性社員だけのときでは一度もそういう事がないのだ。
なのに、いざクレームに発展する内容になると、私たちが一所懸命真摯な態度で話をしても、
「女じゃ話にならない。」
と、時代遅れなセリフが降ってくる。
ファーストコンタクトは女性、上司に当たる人は男性という役回りじゃないと納得しない人もいるのだ。
先日も、品川地区の女性マネージャーに回した案件のことである。
マネージャーが責任者だと対応しても、
「お前じゃ話にならん!」
と、えらい剣幕(けんまく)でまくし立てて、なかなか話が進まない案件があった。
一計を案じたそのマネージャーがスピーカーで聞きながら、30代でフリーターをしている男性に、対応してもらっただけで、激昂(げきこう)すらおさまったらしい。
見えないところでの、性別蔑視(せいべつべっし)。
時代が移り変わっても、もうしばらくはこういう輩は無くならないのだろうと密かに思っている。
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