街道上の怪物。

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アリームの言葉を聞くや、心の中でよっしゃあと叫ぶ陸攻。 つまり、一式ペアはわざわざイアンベから動かずとも、現在留まっている場所を基点に商売が行える事が確認出来たのだ。 陸攻も岡崎も想像すらしてはいないが、マリア=ドブスンが隊長を務める武装集団の本職は徴税。 陸攻にとって連中は地廻りのヤクザが可愛く思える程にタチが悪く、しかも其なりの権力を持っている厄介な集団に他ならない。 関わらないで済むのなら、関わらないのが一番である。 一式ペアにしてみれば、その類の連中そしてその主人にとって忌み嫌われ更に無価値とされている土地イアンベこそが、安心して商売が出来る安全地帯に他ならないのだ。 アリームの言葉で其が確認出来た今、陸攻のアイデアを遮る要素は余りない。 あるとすれば、蠍や毒蛇に代表される現地の危険な生物への対策。 そして、先輩同業者との折り合い… 早い話が縄張りの問題が挙げられるだろう。 例え世界が違っても、自分達の生活を脅かされて喜ぶ者などいないのだ。 陸攻が次に執った行動。 勿論其は、アリームとムジーフに自らのアイデアとその根拠を明かし、評価及び助言を乞うことであった。
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