01 前衛のシーフ

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 ジェラルドが耐える事数分間。 「よし、だいぶ痛みも引いた。レナ、ありがとな。もう一回行ってくる」  動ける程度まで回復したディーノは立ち上がってベアへと駆け出した。  接近するディーノに気付いたベアはジェラルドを無視して向かって行く。  飛び掛かって来るなら好都合。  ディーノの素早さなら前進する事で回避できる。  前方に転がり込む事でその攻撃を回避すると、脇の痛みに前方に転がったベアはすぐに襲い掛かれない為その隙に接近。  今度は全体重を乗せたダガーを喉元に突き立て、体を捻って切り裂いた。  血を吐きながら悲鳴をあげるベアにジェラルドが再び巨盾で体当たり。  追従したマリオが仰向けに倒れ込んだベアの首に剣を振り下ろす。  大量の血が地面に広がり、オリオンのメンバーはブラッディホーンベアの討伐に成功した。  ブラッディホーンベアを倒した後、ディーノは受けた傷の回復で休んでいる。  レナータのヒールと回復薬でしばらくすれば痛みも消えるだろう。  その間にマリオとジェラルドはモンスターの処理をする。  ベアの体内から核を抜き取り、保存冷却用の魔道具を体内に埋め込んだら完了だ。  討伐依頼の場合にはこの核が討伐の証明になる為必ず抜き取る必要がある。  あとは地図にこの場所をマーキングしてギルドに報告すれば回収隊が派遣される手筈となっている。  モンスターの素材はギルドに買い取られる事になり、後日、依頼とは別に買取額が支払われる。  その中でも欲しい素材があれば買取額から金額を差し引いてもらう事ができ、解体されたその部分だけもらえる為、全てギルドに任せる予定だ。
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