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おはなし 12
この男、時を動かせば満足か!
ハイシロは水晶の時計を握りしめ、時よ進め と念じました。
ハイシロの念で振動した水晶は、銀の針を時計回りに進めていきました。
男の顔にはみるみると皺が浮き、筋肉から力が失せてゆきます。
それでは逆だ! 戻せ! と、
男は激高してハイシロの首に手をかけました。
男の背に縋りついて引き離そうともがいていたツキシロは
ハイシロの手から水晶の時計が滑り落ちたのを見て
頭にカッと血が上るのを覚えました。
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