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双子の力の二面性は、やがては明らかになってゆくものとして、老賢者たちは覚悟していた。この度の厄災は、そのための必要悪として編まれた運命なのだと。二面性の裏の部分を恃むことで、裏の力を肯定してしまうことは双子のためにはならぬと思った老賢者たちは、双子の無垢の部分を守るためにあえて教え諭すことはしなかった。是非の選択は、双子自身に任せようと思ったのだ。清濁併せ呑み、バランス感覚を得てこそ、真の力の主となることを自ら学び取ってほしいと願ったのだ。
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