17人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・恋人だと?
けれど、そこで確信する。やっぱりミツキは、キャストカードになんて従っていない。演技をしているわけではないのだ。
いつから?・・・いや、そんなことはどうでもいい。
「恋人、ねえ」
倉木は激しい嫉妬を隠して、ミツキの指が飲み込まれていく様を眺めていた。
「そう。僕、好きな人には尽くすタイプなんだ」
「おかしいな。今君は、俺と恋人同士という設定のはずなのに。・・・まあでも、いいよ。ミツキの本当の恋人とはできないこと、しようか。きっと、君の過去の男たちより楽しませてあげる」
ミツキは誘うような瞳で倉木の手を取ると、中指を自身の中に押し入れた。
熱く蠢く襞が、倉木の指をちゅうちゅうと吸いついて愛撫する。挿入ってしまえばもう、その瞬間には囚われている。抗えないほどの強烈な快感。
一度味わうと、この中から出たくなくなるな。
ミツキは倉木の指を動かして、自身の気持ちいいところを教えてくれる。中の突起に指があたると、ミツキは腰をよじって震えた。
「あ・・・そこ。そう、押して。もっと強く・・・んっ」
倉木は息を荒らげながら、指を一気に四本に増やした。入り口が押し広げられ、とろけきった中が見えている。指の腹で、引っ掻くように内側を刺激してやった。ミツキが背中を大きく反らせる。
まるでカナリアが鳴くような、切ない嬌声が鼓膜に響いた。
「はあっあ、ん、さいこ、だよ・・・翔。刺青のやつは、こんな風に僕を悦くしてくれなかったから」
「この状態でも、他の男の話をするんだね」
「んんっ待って・・・あああっ!」
ミツキの腰を持ち上げ、倉木は自身の昂りを突き刺した。瞬間、全体を強く締め上げられる。
「最高なのは君だよ、ミツキ。・・・いや、やっぱり君はひどい。こんなのを知ってしまったら、他の子じゃ満足できなくなるじゃないか」
奥まで何度も突き刺しながら、内側で倉木にしがみつくような反応をするこの体が愛しくてたまらない。遊び慣れているだろうに、初々しさを感じさせる喘ぎ声も、倉木の欲望を掻き立てる。
「ああっ!いいっ!いいよぉ・・・んんっふ、あ、ぁあああ・・・!」
「で、刺青のやつはどんな風に君を抱いたって?」
「あっあ、いつは、全然ダメ、だ。ふぁ・・・ぼく、中で、五回も、かせてやったのにっ」
倉木に突かれる度、硬く反り上がった先端から白い液体が溢れてくる。こんなの、毒だ。こんな感じやすくて、男を煽る、美しい体。
だからこそ、はらわたが煮え繰り返った。この体を好きにして、五回も注ぎやがった男がいる。許せない。この体で感じやがって。これは、俺のものだ。
・・・塗り潰してやる。
昔の男なんて忘れるくらい、俺ので擦って、マーキングして、イかせまくって、もう俺以外に抱かれたくなくなるように。
ミツキが甲高く鳴いて、両脚を倉木の腰に巻きつけた。
「しょ、しょうっ!は、気持ち・・・あ、はあっ、でもまだ・・・ん、翔、はイっちゃ・・だめ。まだ僕を、楽しませて」
この状態でイくなとは、とんだサディストだ。
「まったく、君は本当に意地悪だね。こっちも限界なの、わかるだろう?」
ミツキの口に親指を突っ込み、そのまま舌をぐりぐりと擦った。
「なあ。刺青のやつより、俺の方がいいだろう?」
ミツキは苦しげな顔で、しきりに頷いている。倉木の腕に抱きつき、猫のように甘えていた。
最初のコメントを投稿しよう!