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しかし、彼らは入り組んだ道をどんどんと突き進んでいくと、倉木が再び大通りに出た時には、そのまま雑踏に紛れて消えてしまったのである。
倉木は二人の姿を朝まで探し続けたが、その日は結局見つけることができなかった。
それからというもの、どうしてもあの青年を忘れられず、同じ店の前をうろつく毎日。
倉木は自分がゲイであるということを周りに隠しているため、迂闊に遊び相手を探すことさえできない。そのため、いつもは動画で気を紛らわせていたのだが、あの日から、倉木のおかずはずっとあの青年だった。
あの後どんなふうに抱かれたのか妄想しては、激しい嫉妬とともに欲を吐き出す。興奮はするけれども、記憶がだんだんと薄れかけ、もどかしさが募っていった。
健気に再会を待ち続けているにも関わらず、何週間経ってもあの青年は現われない。
最後の望みに賭けて、以前、青年とその相手が消えていった路地裏を通って家に帰ることにした。
・・・すると。
ビルの隙間の細長い道を歩いていると、片側が取り壊し途中で、少し開けている場所にでた。特に気にせずそのまま通り過ぎようとした時、ガタガタと何かがぶつかる音とともに、人の荒い息遣いが聞こえてくる。
ピタリと足を止め、耳を澄ましてみた。
そろりとあたりを見渡すと、取り壊された資材置き場のあたりに人影が見える。気づかれないように静かに近づいていくと・・・
「・・・待って、あ、んぁああっ!」
物陰から声のする方を覗くと、資材の上に両手をついた青年が、背後から見知らぬ男に何度も突かれていた。
この前に一緒にいた黒髪とは違う、もう少し若い男。スウェットのようなダボっとした服を膝までずり下げ、青年の尻に腰を打ちつけていた。響き渡る嬌声に、興奮で頭がクラクラする。
男は、青年の腰を逃げないように抱え込んでは、ぐりぐりと捩じ込むように揺すっていく。
「どこがいいの?・・・ね、もうちょっと腰出してよ。もっと奥に入れてあげたい」
男は青年の硬くなった熱をおもむろに掴むと、指で先端を擦っていく。グチュグチュと卑猥な水音が響くたび、青年の膝が震え、甘えるような吐息が漏れる。
男は恍惚の表情を浮かべ、
「力が入らないんだね。気持ちよくなりたいのに、自分で動けないんだ。かわいそうに」
青年の硬くなったそこからは、ポタポタと先走りが糸を引いている。男は手を離すと、舌を使って滑る液体を美味しそうに飲み下した。
「大丈夫だよ。君は楽にしてて。俺がもっと悦くしてあげるから」
男は青年の片足を肩に乗せると、そのまま秘部の奥を拡げていくように、自身の熱を深く埋めていく。
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