【完結】Ep1. FUCK JOY SHIT

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「や・・・あ、動かさ、いで・・・んんっ」  男は深く突っ込んだまま、()きまわすように腰を揺らしていた。奥深くまで密着した粘膜が(こす)られ、そこから絶えず漏れ出てくるくぐもった水音に、倉木の理性はそろそろ限界だった。    男は一度全てを引き抜いた。青年は一際(ひときわ)甲高(かんだか)く鳴き、そのまま一気に根元まで突き刺されると、大きく()()ってビクビクと痙攣(けいれん)していた。 「・・・っ!ちょっ、俺今日ゴムしてないから。あんま締めると、っのまま、出ちゃうって」  男は、繋がったその部分に親指を差し込みナカを拡げると、そのまま何度も腰を打ち付け青年を犯していく。次第に動きは激しくなり、男は息を荒らげながら、夢中で腰を振っていた。  目の前の光景は本当に現実なのだろうか。  気づくと倉木はスマホで一部始終を録画していた。空いている方の手で自身の(たかぶ)りを強く握ると、男の動きに合わせて上下に(しご)いていく。信じられないほどの快感に、すっかり周りが見えなくなっていた。 「あの」  遠慮がちに肩を叩かれる。倉木は固まった。動きを止めて振り向くと、気の弱そうなメガネの男が立っている。 「ええと。あ、まり、そういうことは、しない方が・・・」  ワンテンポ遅れて、何を言われたのかを理解した。今の自分の状況も。  注意をされた。自分は見られていた。撮っているところを、ずっと・・・  思考が急速に巡り出す。一気に顔に血液が集中した。 「どけっ!!!」    慌てて男を押しのけると、倉木は無我夢中(むがむちゅう)でその場から逃げ出した。  後ろを振り返りながら、男が追ってこないことを確かめてホッと胸をなでおろす。  他に人がいるとは思わなかった・・・  まだ落ち着かない心臓に手を当てながら、何度も深呼吸を繰り返した。スマホを固く握り締めていた手から、ようやく力が抜けていく。  パニック状態だった頭が冷静になってくると、倉木は徐々に口端が笑みで吊り上がっていった。  何ということだ・・・最後までとはいかないまでも、あの青年の淫らな姿を、ここに納めることができた。  これほどまでに自分自身を褒めたくなったことはなかった。これさえあれば、妻に隠れてこそこそと、何時間もかけて動画を漁らなくて済むかもしれない。  願わくば、もう少し本物を見物していたかった。けれど今頃、あの変に正義感の強そうな真面目ぶった男が、本人たちを(いさ)めていることだろう。  なにせ、堂々と変態的行為に(いそ)しむ倉木を(たしな)めるくらいだ。  ・・・全く、ノンケというのは理解ができない。  あんなものを目の当たりにして、何の興奮も感じないのか。倉木はもうすでに、全身が(たかぶ)ってどうしようもないというのに。      
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