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「まだ、ダメだよ」
倉木の視線を遮るように、ミツキは両手で後ろを隠した。
「せっかく久しぶりに会えたんだから、もっとお喋りしよう」
会話なんてどうでもいい。早く繋がってしまいたい。なんて本人には言えず、仕方なくミツキの脚から手を離す。
「そうだね。ごめん。あんまり可愛いことをするものだから、つい我慢できなくなって」
「そんながっつかなくても、後でちゃんと受け入れてあげるから」
長く細い指に、倉木の熱がつままれる。膨れ上がってきつくなったそこを、スーツ越しになぞられた。
「後で、か。早く君をその気にさせるにはどうすればいいか、今必死で考えているよ」
青年は楽しげに笑い、テーブルに置いていた自身のカクテルを口に含んだ。黒い液体は、もう半分も残っていない。
倉木の心がざわつく。強い焦りで頭がいっぱいになった。
・・・どういうつもりだ?カクテルがなくなれば、この茶番は終わるんだぞ。俺をからかっているのか。
ミツキはグラスから手を離すと、倉木の手を掴んでゆっくりと絡めた。
「せっかちだなあ」
恋人繋ぎというのは、肌の柔らかい部分が否応なく刺激される。
目の前に早く食べてしまいたいご馳走があるのに、よしと言われるまで待てをするのがこんなに辛いとは思わなかった。
余裕の笑みを浮かべながらも、倉木の頭の中では、ミツキはすでに裸に剥かれ、あの色っぽい嬌声をあげながら犯されていた。
「僕たちまだ付き合って間もないでしょ?お互いをちゃんと知らなくちゃあ、気持ちよくなれないよ」
そう言ってミツキは、再びカクテルに手を伸ばす。
グラスを掴む直前で倉木が止めた。手首を握り口元に寄せると、そのまま長い指を口に含む。
「確かに、君のいうことはもっともだ。それなら教えてくれ。どういう風にされるのが好きなんだ?」
ミツキの人差し指をしゃぶりながら、舌を使って愛撫する。先端から付け根までゆっくりと舌を這わせた。
濡れた瞳が熱を帯びて、じっとこちらを観察している。
「ああ・・・そこ。ホンモノをそうされると、すぐにイっちゃうんだよね」
先端をざらついた舌で擦っている時に、ミツキが耳元で囁いた。低く艶のある声に背筋が痺れる。
「僕、こっちも弄られるとたまんないんだよ」
ミツキは倉木に跨り、色っぽく口元を歪めた。倉木の手を引いて服の裾の中へ導く。
華奢だけれども、なめらかで引き締まった腹筋。肌触りの良さが心地よくて、そのまま胸元まで手を侵入させた。
硬く尖った小ぶりな先端をつまむと、ミツキの瞳がより艶っぽく濡れていく。ミツキは自分で服をたくし上げ、倉木の眼前にピンク色の突起を晒した。
「可愛いね。女の子みたいなのに、女の子よりも積極的で」
腰を抱き寄せ、ミツキの胸元に吸い付く。唇で食むようにして強く啜ってやると、ぷっくりと膨らんだそこが濃く色づいていく。
自分の色にこの青年を染めているみたいで、倉木はたまらなく興奮した。
「はぁっ・・・ねえ、翔はどうされるのが好きなの?」
快感に震える声で、ミツキが問うた。倉木は目を細める。後ろの入り口に指を押し付け、優しくくすぐった。
「俺はね、この中でいっぱい擦るのが好きなんだ」
ミツキはニヤリと笑う。
「ふうん、何だ。覗きとか、そういうのが趣味なんじゃないんだ」
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