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「やっぱり、晴れた日といえば公園だよね!」  そう言ってたどり着いたのは、海沿いの公園だった。少しだけ吹いている海風が、彼の髪の毛とシャツの襟を揺らしている。 「意外と人がいるね。家族連れとか」 「ね。まぁこんなに天気がよくてあったかいと、外に出たくなっちゃうよねぇ。  あ、広瀬(ひろせ)さん、あの船の中入ったことある?」  彼が指さした先には、大きな船が停泊していた。 「ない! あの中入れるんだ、知らなかった」  そんなわたしの言葉に、彼はうれしそうに笑った。 「それなら行ってみようよ!   船から見える景色もすごくいいし、中もおしゃれだから『映え』だと思うよ」 「ふは、なんか深沢(ふかさわ)くんが映えとか言うとちょっと面白い……」 「なにそれ、どういうこと!?」  そんな風に会話しながら、船のチケット売り場にたどり着く。  聞かれるよりも早く「高校生、2枚!」とたいへん元気よく言い放った彼に、係員さんは少しきょとんとしながらも、「いってらっしゃい」とほほえんで入場券を2枚渡してくれた。 「ずっと言ってみたかったんだよね、『2人です』って。  夢、ひとつ叶った」  そう言って、また目をぎゅっと細める深沢(ふかさわ)くん。学校でほとんど彼と話さないぶん、こんな風に笑う人だと思ってなくて、しばらくぼうっとその顔を見つめてしまっていた。
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