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青の民
翌朝、出立の準備をして、きっちりきっぱり顔を覆う黒頭巾を装備した自分を見て、オウタンがしきりに残念がっていたが、ざまあみろ。嫁入り前の大事な体に何しようとしやがったか、胸に手を当ててよくよく反省しやがれってんだ。
そこはまぁそれとして、手間のかかる虱潰し作戦に終止符を打つ糸口を与えてくれたことには感謝する。ひとまず、次の目的地は青の民の港だ。
コガネはチョウジたちと別れの挨拶をしていた。皆、根っからの悪ではない。一晩一緒に過ごして情もわいた。少なくとも野盗家業からは足を洗って、まっとうに生きて行ければよいのだが。
「シロ! 行こう!」
コガネが走って来た。頷いて歩き出す。ふと振りかえると、皆が手を振って見送っていた。こちらも、ひらひらと手を振り返す。
いずれまた、会える日があれば……。
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