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ルームメイト
放課後、さっさと寮に帰ろうと鞄をもって
席をたった時タロに呼び止められた。
「ユキちゃん、お昼はごめんね…
自分の(萌)為に置いて逃げたりして。」
「………。」
僕は真顔で黙る。
「怒ってるよね…こんな友達嫌だよね…」
シュン…となったタロを見てると
落ち込んだワンコに見えてくる…
「…これからは置いてけぼりにしない?」
「しない!」
「…タロの趣味の餌食にしない?」
「………しない(バレてたか)」
「その間は何かな…「しません!」」
「よかろう。信じようではないか。」
「ユキさーん!!」
タロも反省してるみたいだから
許してしんぜよう。
タロと仲直りして寮まで一緒に帰った。
ホテルみたいな寮のエントランスまで着くと
まだ部屋の番号を聞いていないので
守衛さんの部屋までタロに案内してもらった。
「タロ、案内してくれてありがとう!
寮の部屋も一緒だったら良かったのになぁ」
「俺はもうルームメイト居るからな、
基本2人部屋だから多分他の人だろうな」
「そっかぁ…じゃあまた明日ね」
「おう、あと…守衛室入る時は気おつけた方がいいと思うぞ。見たくないもの見ちゃうかも…そういう事だからまた明日な。」
すごい意味深な言葉残していったんですけどー!
き、気になるじゃんか…
僕は勇気を振り絞って守衛室をノックする
コンコン…
シーーン…
コンコン…
シーーーン…
居ないのかな?
僕、このままだと部屋に行けないんだけどな
コンコン…
「すみませーーん!!」
ノックだけだと聞こえないかもと思って
掛け声もやってみたが出てこない。
こうなったらドアに耳を付けて
中に人が居るか確認にしてみる
「……あっ……ん、ぁ、りゅぅ…やぁ!」
えっ、これって……お、お取り込み中…?
「だっ…れか、っ来てるっ!…んぁ!あぁんっ」
「っ…黙って俺に集中しろっ。」
集中しないでぇーーーー
僕このまま野宿かな(´;ω;`)
それにしてもこの生々しい声に
僕の顔が赤くなってくる…え、エロい。
恥ずかしくなってドアから耳を離す。
盛り上がってるところ申し訳ないが
荷物整理もしたいしこのまま居る訳にもいかない。
ドンドンドン!!
「今日転校して来ました!1Aの光井です!」
大きい声で呼びかけたら
扉の向こうでドタバタ音が聞こえてきた。
そして扉が勢いよく開いた。
「うるせーーな!いいとこだったのによ!」
「すっ、すみません!」
出てきたのはちょっと無精髭を生やして
野生っぽい男の人がイラつきながら咥えタバコしている。
ガタイもガチムチ過ぎず引き締まった筋肉が
はだけたシャツから見えている。
「僕、寮の部屋の番号聞きに来ました。
荷物整理早くしたくて…。すみません…」
「ちっ、ちょっと待ってろ。」
守衛さんはそう言って部屋の中へまた消えていった。
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