45人が本棚に入れています
本棚に追加
事務所に入ると、みかんだけがソファーに座っていた。
仮眠をとっていた様で、スバルのドアの開け閉めの音でピクリと姿勢を正した。
「おはようございます。」
スバルが軽く頭を下げて挨拶する。
みかんの表情は疲れ切っていたが、スバルを見て少し微笑む。
「ありがとうスバル君、休日なのにごめんね」
みかんは自分の荷物をまとめながら言った。
「全然っす。それよりみかんさんこそ今日出勤ですか?」
幼稚園児の息子がいるみかんは、週末は休みをとっているはずだ。
「そうだったんだけどね・・・、お金に困ってて」
荷物をまとめ終えると、心配そうに見つめるスバルを見た。
「生きていくって、辛いよね・・・」
そう言うと、彼女はそそくさと事務所を出て社用車に乗り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!