臨時出勤

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「あ、もしもしスバル?」 事務所の社長だ。 休日に電話が来るということは、あの用件しかない。 「人足りないんすか?」 スバルはそう聞いて、一度開けた缶ビールの飲み口を親指で覆った。 「さすがスバル~、今日いける?」 臨時出勤の依頼だ。 依頼といっても、断らす気はまずない。 「今からいけばいいですか?」 スバルはそう聞きながら、缶ビールをそっと冷蔵庫に戻す。 「ごめんねぇ。酒、飲んでない?」 相手はスバルの生活習慣のことも把握済だ。というより、この会社で働く従業員は皆、いわゆるであり、「どうせだらしない生活を送っているのだろう」とでも思っているはずだ。
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