かまくら

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 「二度寝注意報発令中~」と呑気に歌うお前が五度寝していたことを俺は知っているが、さておきとても寒い朝だった。起床は困難を極め、俺も三度寝した。 「かまくらを、作りたいよ~」 「急になんだ。ネタの導入か」  漫才か漫才じゃないか論争を起こすぞ、と続けようとしてふと窓の外を見やると、この街としては珍しく、そこには結構な量の雪が積もっていた。 「お前かまくら作ったことあんの?」 「ないからさ、ちょっとやってみたくて。オレ作る人やるから作られる人やって」 「作られる人って何?」  暖房のない貧乏暮らしだ。二人分の白い息が吐かれては消え、吐かれては消えている。  いつまでこの生活を続けられるかは分からない。分からないが、そんな中に一日くらい、かまくら作りに費やす日があるのも悪くないだろうと思った。 「誰も傷つけないしな」
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