時代を超えて

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暫くその場で久しぶりに溢れだしてきた感情に溺れていた。 でもそれは決して嫌な気分になるものではなくていつまでも溺れていたいと思ってしまうくらいに心地良いものだった。 どれくらい泣いていたんだろう、、、? 気付いたら辺りが少し薄暗くなってきていた。 「あ、、、」 ふと空を見上げると空が真っ赤に染まっていてまるで炎のようだ。 「きれい、、、」 ああ、空を綺麗だなんて思えたのはいつだったかな? あの時最後に見た空とは全く違う空だ。 夕焼けはこんなに綺麗だったんだね、、、。 忙しない感情に戸惑いを感じてはいるけれど、それが愛しくて仕方なくもあった。灰色の毎日、透明な世界、、、 世界はこんなにも美しかったんだ。
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