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「お嬢ちゃん、あなたそんな所でぼーっと立って何してるの?」
背後から聞こえてきた声に驚いて後ろを振り向く。
「え?」
そこに居たのは絵に書いた様な姿をしたおばあさんだった。
家族ものの某アニメに出てくるおばあさんによく似ている。
「もう夜も更けてきたし危ないわよ。家にお帰りなさい。」
家、、、
私にはもう、帰る家がない。
ああ、そういえばお父さんとお母さんにはもう会えないんだよね、、、
心配してくれていたのに私は自分の事を話せなかった。
きちんと話が出来ていたら何もかも違っていたのかな?
私は親不孝者だ。
「あらあらどうしたの?」
まただよ、、、
溢れだしてきた感情が再び抑えきれなくなった。 あの時流せなかった涙が今は止めどなく流れてくる。
「ごめんなさい、、、私、、、」
すっと伸びてきた手が私の手を包み込んでいた。
「落ち着いてね。大丈夫よ。」
なんてあたたかいんだろうか、、、
人の手はこんなに温かいものなんだ。
そういえば私が大好きだったおばあちゃんもこんな手をしていたな、、、いつもその温かい手で私を包み込んでくれていたんだ、、、
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