北の大地

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それからおばあさんは沢山のことを話してくれた。 ここが北海道であること、今が戦争の最中で戦争が少しずつ激化していっていること、、、 そっか、、、ここは北海道だったんだね。 自然が感動するくらいに綺麗に感じたのは北海道だからということもあるのかもしれない。 私は北海道にはまだ行った事がなかったけれど、その美しさはよく知っていた。 春夏秋冬、どの季節もみんな綺麗な土地、それが北海道だよね。 「さぁ、今日はもう遅いわね。ゆっくりお休みなさい」 そう言うと布団を用意してくれた。 「あの、、、何か手伝えることはありませんか?」 何か出来ることがあればしたい。 心からそう思う。 「いいのよ。疲れたでしょう?今日はもう寝ましょう。」 「でも、、、」 「明日でいいのよ。」 明日、、、 そっか。これからまた新しい明日が始まるんだ。 あれだけ嫌だった明日が、ここではそう感じない。 新しい明日が来る毎日がまた嬉しく思える様になるのかな、、、 「はい」 そう答えた私の顔はきっと自然に笑えていた。心からの笑顔がここにはあるんだ。
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