北の大地

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「そういえばあなたのお名前をまだ聞いていなかったわね。私はチエっていうの。あなたは?」 そうだ。私はまだ名前すら教えていなかったしおばあさんの名前も聞いていなかったんだ。それなのにチエさんは私を受け入れてくれたんだ。 「私はなずなです。高梨【たかなし⠀】なずな」 なずな。おばあちゃんが付けてくれた名前だ。大好きな名前、、、 「まぁ素敵な名前ね。じゃあなずなちゃんって呼ぶわね。私はおばあちゃんでも構わないわ」 チエさんはそう言って笑った。 本当に素敵な笑顔で。 「チエさんって呼ばせて貰っていいですか、、、?」 「ええ。」 ご飯を食べながらまたたくさんの事を話した。チエさんがおじいさんと過ごしたてきた毎日の話、北海道の話、、、人と話をする事はこんなにも楽しいんだなって思えた。 話をするだけで見えてくる事がこんなにもあるんだ。 いつからだろうか、、、 そこで当たり前に繰り返される会話に意味を持たなくなっていったのは、、、。
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