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「さて、出来ました」 食卓には今日採れたばかりの野菜が並んだ。 ふろふき大根、白菜の浅漬け、玉子雑炊とにんじんのきんぴら。 どれもみんな美味しそうで心のこもった料理だ。やっぱりチエさんの手は魔法の手だ。 「美味しそう」 「なずなちゃんも手伝いをしてくれたからよ」 「そんな、、、」 私がした事なんか野菜を洗ったり切ったりしたくらい。 でも料理なんてあまりした事がなかったから手もおぼつかないし、、、 そんな私に楽しそうに教えてくれたチエさんにやっぱりおばあちゃんが重なったんだ、、、 「女の子とお料理するのが私の夢だったから嬉しいのよ。」 2人で顔を見合わせて微笑んだ。 なんて素敵な時間なんだろうか。 幸せを感じるのはどんな時? 欲しいものが手に入った時 美味しいものを食べた時 物事が上手くいった時、、、 きっとどんな瞬間にでも幸せは存在する。感じ方やとらえ方で変わっていくものだから、、、 私は今、抱えきれないほどの幸せを感じている。この場所にいつまでもいたいと、そう思えるほどに。
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