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「お邪魔します。今日はお招き頂きありがとうございます。」 「チエさん、いつもすまないね。」 「いらっしゃい。大したおもてなしは出来ないけれどゆっくりしていってね。」 小さな居間に4人並ぶと物凄く距離が近くに感じる。 チエさんは気を利かせてくれたのか私と柊さんを向かい合わせに座らせた。 「美味しそうだなー」 「本当に。チエさんの料理はいつも美味そうだ」 「こんな物しか出せなくてごめんなさいね。さぁ、召し上がれ。」 「いただきます!」 声が重なった。 そして賑やかな食卓の始まりだ。 ご飯って1人で食べるのと沢山の人で囲んで食べるのではなぜこんなにも違うんだろうか。 同じご飯でも美味しさが違うように思えるし、何より楽しい。 団らん そうか。この言葉はこういう時の為に作られた言葉なんだね。 「美味い!やっぱりチエさんのご飯は最高だ。」 「本当に。チエさんは料理上手ですよね。なずな、チエさんにしっかり習えよ。」 柊さんが私を見てそう言った。 「はい。いつも優しく教えてくれます。」 「そうか。それは良かった」 ああ、柊さんの笑顔はまるで太陽だ。 大袈裟じゃないよ?その顔を見る度に私の心が熱くなるんだもの、、、
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