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「なずな」 ああ、、、柊さんが私の名前を呼ぶと私の中の感情が忙しなく揺れ動く。 「はい、、、」 あなたの声があまりに心地良くていつまでも聞いていたくなる。 「何かあったら遠慮せずに話せよ。何があったかは聞かないし話さなくていい。きっとチエさんもそうしただろうから。だけど君はまだ16だ。誰かを頼ったり、甘えたりしていい。チエさんだけじゃない。俺や親父、他のみんなだってきっと君の力になれる」 「そうだよなずなちゃん。こんな時代に生きることは大変だ。だけどな、こんな時代だからこそ助け合って生きなきゃならんよ。」 助け合って生きていく 私が生きていた世の中にはそれがほとんど無くなってしまっていた。 人は自分自身を守る事に手一杯で周りを見ようとはしない。 優しさも温かさもきっと人の中には沢山ある。だけどどうしてそれを隠してしまうんだろうか、、、 見ず知らずの人にすら優しくなれた時代が確かにあったんだ。 生きていくのがやっとなはずの時代の方がずっと他人に優しく出来るだなんてなんて矛盾なの、、、 「ありがとう、、、ございます、、、」 ここに来てから流す涙はあたたかいものしかないよ、、、 涙はただ悲しいだけのものなんかじゃ無いんだね、、、
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