時代を超えて

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「君、こんな所で何をしているんだ?」 男の人の声がした。 振り向くとそこには軍服のような服を着た男の人がいた。映画なんかで見たことがあるやつだ。歳は同じくらい? もしここが天国なら、昔の軍人さんがいても不思議じゃないか。 「あの、、、ここは天国なんですよね?」 私の言葉に怪訝な顔をする。 「まだ天国じゃない。君は、何を言っているんだ?だけどこんな所にいつまでもいたら天国に行っちまうぞ。」 ここは天国ではない? じゃあ一体何処だというの? それにこの人は、、、 考えても考えても答えは出ない。 目の前の男の人が私の手を引き歩き出した。 「あ、ちょっと!」 「いいから来い!」 言われるままに歩いた。 男の人と手を繋いだのなんて小学校以来だ。
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