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もうやだ、ぜったいやだ。
こんな明るい中で、あんなとこまで完全に丸見えでするなんて、ありえない。
しかも今、体中が、触れられるだけでゾクゾクしてて……。
……こんなんで入れられるの、怖すぎる。
「雅己……?」
肩に触れられて。たぶん、顔をのぞき込もうとしてる啓介に、耳元で優しい声で名前を呼ばれると。
ものすごく、腰にぞくぞく、響くんだけど。
そういう問題じゃない。お願いだから、もう今、無理。
「……震えとるんやけど……どした……?」
……わかんない。
なんか、枕握りしめてる手も、プルプルしてるの分かってるけど。
なんかもう、今、ごめん、啓介……。
「――――……しゃあないなあ……」
何だか笑いを含んだ声が聞こえて。
布団が、ばっとオレにかぶせられたと思ったら。
包み込むような感じに巻かれて、そのまま抱き上げられて。
状況に気づいた時には啓介の膝の上に横向きに乗せられていて。至近距離でいきなり見つめあってしまった。
「……っ」
かあっと赤くなった瞬間。
むぎゅ、と抱き締められて、啓介の肩に顔が押し付けられた。
肩からすっぽり、くるりと巻かれているせいで、手も外に出せない間抜けなオレは、何も言えずに啓介の言葉を待つしか、ない。
「――――……雅己」
「……っ……」
「……大丈夫やて。待つから。ちょお落ち着けや」
「…………」
「……こんな、生殺し、初体験やけどなー……」
なんて言いながらも、啓介は、クスクス笑って。
オレの後頭部をひたすらナデナデ撫でている。
――――……もう、さっき、すぐ入りそうな位、熱くなってたのに。
「……おさ、まる…?」
「――――……大分萎えた」
「……いいの?」
「……良くないなら、今してええの?」
そう言ってから、くす、と笑う啓介。
「――――……そら、お前、抱きたいけど……お前がちゃんと受け入れてくれてた方が気持ちええし。嫌や言うのはいつもやけど、今日はなんかちゃうもんな……」
「――――……」
ちゅー、とこめかみにキスされて、また抱き締められる。
……えっと……。
――――……ほんとに、我慢、してくれんの?
もう、今から、入れる、みたいなとこまで行ってたのに?
「――――……雅己、ほんま、可愛え……」
ぎゅう、と抱き締めながら、そんなような事を、ずっと呟いてる啓介。
ふわ、と、気分が舞い上がって。
さっき、訳も分からず震えてたのは、すっかりおさまった。
「雅己、ほんま、好き」
言われながら、ちゅうちゅうキスされていると。
鼓動が、うるさいくらい、早まっていく。
「――――……オレ、ヤキモチなんて妬いた事なかったのになあ……」
「――――……」
「……ほんまはあんなみっともない事、絶対言わんでおきたいのに……我慢できんで言うてしもたし。こんなにいつも抱きたいなんて、お前だけやしなー……。なんや、オレ、お前の前やとカッコ悪い事ばっかやな」
「……何それ?」
「ん?何それって?」
「――――……そういうの、オレだけなのか?」
「……せやで? そもそも妬いた事なんか。……高校から、お前に関してのみやし。触りたいのだって、こんなに強いん、初めてやし」
「――――……」
「自分でも、エロいこと覚えたての中高生みたいで、嫌なんやけど……」
「――――……」
「あとはそれで、お前がすっかり被害に遭うてるから、かわいそうなやなーとは思うんやけどな……」
クスクス笑う、啓介。
「ほんまはなー……もっとカッコよく居たいんやけど……余裕ないなぁ……」
……調子に乗るから、言わないけど。
……カッコいいけどな、お前。
……優しいし。
まあ確かに、心の中で「ケダモノ」呼ばわりしてるけど。
……こんなところで、我慢してくれるとは、思わなかった。
ケダモノから、人間に、格上げしてやろうかな……。
そんな事考えてるとは知らない啓介は、膝に乗せてるオレの頬を挟んで、ちゅーー、と口づけてくる。
「震え、止まったな……良かった」
キスしながら、クスクス笑って、そのまま、舌が絡んでくる。
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