社員食堂の小人さんと秘密のお手紙

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 翌日、いつものメモには電話番号とメールアドレスが付記されていて、スマホに入力する。  オンラインでのやりとりもいいけれど、やっぱり手紙のほうが好きだな。  雄々しい見た目とはうらはらな、繊細で美しい字を手でなぞりながら、美月はそう思う。 (いただきます、紺野さん)  知っているけど知らなかった相手に向かって、美月は手を合わせて頭を下げた。  さて。  食べ終わったら、身体の大きな、小人さんに会いに行こう。  ありがとう。美味しかったです。  今日は直接伝えよう。  また笑ってくれたら嬉しいなと、美月は思った。 
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