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手を放して現れたのはピンクのリボンとポニーテール。ひらひらと危なげのなくなったスカートともにヒルメは、クルクル回ってこちらに見せてきた。
「おぉー、ぱちぱち、」とテキトーに送られた拍手にドヤ顔で応える彼女だったが、突如「あっ、」と何か思い出したようにかけていった。
思ったよりもフラフラな足で追いかけた俺だったが、出迎えたのは炭と化した廃墟だった。ついぞ見ることは叶わなかった異文化の外観は、きっと美しかったんだろう。ひ、ひどい~いったいダレガコンナコトヲ~~
「ふむ、流石に焼け落ちましたか。アナタにはお世話になりましたが……まぁ仕方なし。さてさてお目当てのものは……おっ、ありました!」
そんな俺よりもあっけらかんと、それこそ他人事のように切り捨てた幼女。いいのかそれで? とも思ったが、引き留める間もなく小さな足は、廃墟の隣に横たわる、もう一つの灰の塊へと走っていく。
直撃したからか今なお身体のあちこちから煙が昇るソレは、大きさとわずかに残った蛍光黄色からも分かるように、俺を崖に捨てた原因を作ったストーカーの亡骸に違いなかった。
「ふ~あぶないあぶない、ギリギリでしたね。焦がしちゃうトコでした」
彼女はブカブカに余らせていたボロボロの袖を引きちぎると、それを鍋掴みのように手に巻いて。
そのまま、何をトチ狂ったか突然、勢いに任せてトカゲの腕を引きちぎった。引きちぎってしまった!
「ハ、オマ…アンタ何して――!!っ、」
「あゝ引かないでください! 違いますからね!、コレは熱でホロホロってなってるだけで、決して私が鬼人 顔負けのマウンテンゴリラというわけでは……
「ちっげぇよ! そのバケモンの腕もいで何するつもりだって話してんの!、あ~なんか垂れてんだケド?、それ手で持ってだいじょ――
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